体調についての記録

体調について記録していきたいと思います。

FXと体の調子+脚本2020年4月6日

〇2020年4月4日(土)・5日(日) FX報告 土日曜日は取引できないのでなし

 

〇2020年4月5 日(日)・6 (月) 体調報告 ほぼ回復

味覚にまだ異常があるのかもしれないが、食べ物を口にした時にうん?という違和感を今日は感じなかった。しかし、また明日、4回目の抗がん剤。嫌やー。

 

 〇脚本(ドラマ完結) 4回に分けてUPします。4回目(3/23の続き)

過去に脚本募集で提出した作品(選ばれてません)

 

○伊藤家・リビング

祐子、テーブルの上に手紙と通帳を置

いた後、荷物を持って家を出ていく。

○カフェ・中(夕方)

凜子「ひどいでしょ。確かにあの宏司って男も最低だけれど、あの女、許せない! 私の家が抵当に入ってしまっているのも、きっとあの女のせいだわ」

知美「凜子、ちゃんと登記簿謄本を見た?」

凜子「どうして?」

知美「抵当が付いたのって何年前だった?」

凜子「えっと」

凜子、謄本をバッグから出す。

凜子「平成2年」

知美「凜子のパパとママが離婚したのはいつ?」

凜子「私が17歳の時だけど」

知美「とういうことは、家に抵当が付いたのは28年前で、凜子の両親が離婚したのは13年前でしょ。凜子のパパが家を担保にしてお金を借りたのは離婚するずっと前だよね」

凜子「え、そうなの?」

知美「(真剣に)凜子って本当抜けているよね」

凜子「え…」

知美「抜けていると言うか、なんでも物事をそのまま受け止めてしまって、思い込んでしまうと言うか、疑うことをしないというか」

知美、凜子を見た後、珈琲を一口飲み、

窓の外に目を向けながら、話し始める。

知美「私の家って貧乏だったから、大学の学費もバイトして自分で払わなくちゃいけなくてね。お金に不自由のない凜子の事が本当、羨ましかった。羨ましいのを通り越して、腹が立つこともあったわ。凜子が不器用で、皆に合わすことがうまく出来なくて友達が作れない事も分かっていたけど、それをフォローしてあげることもしなかった。少しだけでも優越感を持ちたかったんだと思う。かわいそうだから、友達でいてあげているんだよって」

凜子「知美?」

知美「私、結婚だけは凜子より絶対早くしようと思って、婚活パーティーにずっと参加し続けていたんだけど、全然縁がなくてね。宏司のこと、前から知っていたんだ。あいつ、結婚する気なんてないの。お金を持っていそうな人をみつけて、警察沙汰にならない程度にちょっと貢がせて別れるっていうのを繰り返してる」

凜子「なぜ、もっと早くそのことを、私に教えてくれなかったの?」

知美「私、凜子が婚活パーティーに参加することになった時、凜子に先にいい相手がみつかったら嫌だなって思った。だから、あいつにあなたがすごいお嬢様だって言ったの。お嬢様だって言えば、絶対、あいつ、凜子に声を掛けるって分かっていたから。この前、家に行った時、祐子さんに言われたの。凜子のことを友達だと思っていないのなら凜子に近付かないでって。祐子さん、宏司から私の事を聞いたんだと思う」

凜子「え、どういうこと?」

知美「祐子さんは、凜子から宏司を引き離すためにパーティーに参加して、宏司に近付いたんだよ。セレブリティパーティーで凜子に会った後から、祐子さん全然会ってくれなくなったって宏司が言っていたわ」

○伊藤家・リビング(夜)

凜子、テーブルの上に祐子の手紙と父

名義の通帳をみつける。手紙には、こ

のまま暮らして家を守っていくように

と書かれている。

○同・凜子の部屋(深夜)

凜子、ベッドの上に座っていたが、『り

んこのたからばこ』を部屋の隅に置い

ていたのに気付き、箱の蓋を開ける。

箱の中から、折り紙や、子供の頃に描

いた絵やビーズで作ったネックレス等

を手に取ってじっとみつめていたが、

箱の底に封筒をみつけて、手に取る。

封筒の中には凜子の父からの手紙が入

っている。

○凜子の父の手紙

凜子の父の声「凜子に伝えたいことをここに

 書いておこうと思う。凜子に辛い思いをさせるかもしれないので、この手紙を凜子がみつけることがなければ、それはそれでいいと思う。祐子も凜子が傷付くから黙っておいた方がいいと言ってくれているが、本当の事を書き残しておく義務がパパにはあると思っている。凜子はパパが祐子と浮気をしてママと別れたと思っているよね。本当は違う。凜子が2歳の頃、共同事業者であるママがパパの意見を聞かずに、事業拡大の為に家を担保にお金を借りたんだ。その後、バブルが弾け、多額の借金返済に追われる毎日が始まった。その頃からママとパパは気持ちがすれ違っていったんだと思う。そして、ママは浮気をしてしまった。それもパパが信頼していた会社の部下とね。きっと寂しくて魔が差したんだろうと思う。だけど、パパはどうしてもママを許すことができなかった。パパは離婚する時、裁判になったとしても凜子の親権を得ようと思っていた。だけど、ママは凜子と暮らせないのなら、凜子と一緒に死ぬと言ったんだ。彼女の目は本気だった。だから、パパは凜子と離れて暮らしてからも凜子が苦労をしないようにできる限り援助しようとした。だけど、それは凜子のためにならないと、祐子が言うんだ。パパがいなければ、凜子は何もできない人間になってしまうってね。現に、凜子は金銭管理ができなくなっているって。祐子はいつも凜子のことを気に掛けているんだよ。凜子のSNSをいつも見ていて、凜子のお店の事も心配したりしているんだ。メッセージも送ったとか言っていたな。いつか、凜子と祐子とパパと3人で食事に行ける日が来ることを楽しみにしている。凜子がこの手紙を読んでいる頃は、パパはもうこの世にはいないと思うが、祐子がパパの代わりに凜子を守ってくれると思う。パパはいつだって、世界で一番大切な凜子が幸せな人生を歩むことを願っているよ」

凜子、手紙を置き、テーブルに置いて

いたスマホを手に取り、SNSのDM

を開く。

スマホの画面

『あなたが本当にいいと思うものは何?』

凜子「あった…。パパが私に残してくれたも

のが」

○(回想)凜子と祐子の共同生活の日々

料理・洗濯・掃除・パソコンを教わるシーン

(回想終わり)

○祐子が勤めているオフィス・中

部下A「…村さん、野村さん!」

祐子、我に返る。

部下A「どうしたんですか? ずっと、考え

事をされていたようですけど」

祐子「ううん。なんでもない。ごめんないさ

い」

部下A「それならいいですけど、無理をしないで下さい。最近、元気がないようですし」

部下A、祐子のデスクにコーヒーカッ

プを置く。

祐子「ありがとう」

祐子、カップを持ち上げようとした時

に、スマホの画面にSNSのDM通知

が表示されていることに気付く。スマ

ホを手に取り、DMを開く。ハンドメ

イド風のアクセサリーの写真と『バイ

トですけど、アクセサリーショップに

勤めることが決まりました。ご相談し

たいことがあるので、会っていただけ

ませんか?』

というメッセージを見る。

○伊藤家・リビング(夜)

凜子「この家は絶対私が相続しますから」

祐子「何言っているの! 遺言書で家は私に

相続すると書かれているのだから、私が相続するのが当然でしょ」

凜子「駄目よ! そんなの、絶対に」

祐子「家にはずっと暮らせるのだから文句はないでしょ」

凜子「あるわ! 住みもしないのに、祐子さ

んが借金を背負っていくなんて、おかしい

じゃない。」

祐子「(困惑して)あなたが返していける金額じゃないから」

凜子「(微笑んで)祐子さんが相続するというのなら、この家で暮らして下さい。そして、私を居候させて下さい。まだまだ教えてもらいたいこともいっぱいあるし」

お茶屋・中

ハンドメイド風のネックレスをした知

美の胸元、ブレスレットをした知美の

腕、知美の横の椅子に置いているバッ

グを見る凜子。

凜子「知美、ありがとう。身に付けてくれているのね! SNSにも投稿してくれているでしょ」

知美「(ブレスレットをした腕でネックレスを触りながら)うん! すごく気に入ってし、職場でも皆にどこで買ったのか聞かれるよ」

凜子「最近、ネットショップの注文が徐々に増えていっているの、知美のおかげね」

知美、微笑む。

知美「それにしても、こんな店が近所にあったなんて全然知らなかった」

凜子「でしょ」

ウエイトレスC、あんみつをテーブル

に置く。

知美「美味しそう!」

凜子「(嬉しそうに)でしょ! 私、甘いものが苦手だけど、ここのあんみつだけは、美味しいって思うの」

凜子、スプーンでお茶のアイスをすく

って、食べる。

知美「あれ?」

凜子「うん?」

知美「凜子、SNSに投稿しないの?」

凜子「(微笑みながら)うん」

知美「どうして? きっと、いいね!を沢山もらえるよ!」

凜子「そうね。だけど」

凜子、地元のお客で賑わっている店内

を見回す。

凜子「ここは、この雰囲気込みで気に入っているから」

知美「そうね。自分だけのとっておきの物って、汚れたり壊れたりしないように、宝箱に閉まって大事にしておきたいものね」

凜子「うん」

知美「(おどけて)そしたら、凜子の商品もSNSに投稿するのは止めようかな」

凜子「それは、バンバン投稿して!」

知美「(メニューを手に取り)そしたら、凜子の奢りということで、抹茶チーズケーキも注文しようかな」

凜子「太るわよ、週末、婚活パーティーでしょ!」

知美「それがさ、前から気になっていた同僚

に告白されて付き合い始めたんだよね!」

凜子「うそー!」

知美「だから、いいの」

知美、ウエイトレスCに向かって手を

上げる。

ウエイトレスC、凜子と知美のところ

へやって来る。

知美「(メニューを指差しながら)抹茶チーズケーキを…」

凜子「と、ほうじ茶パフェと緑茶ティラミスと抹茶餡入り白玉饅頭を一つずつ!」

知美「凜子?」

凜子「(怒って)やけ食いよ! (笑って)うそうそ! (ウエイトレスCに向かって)緑茶ティラミスと抹茶餡入り白玉饅頭はテイクアウト用でお願いします」

○(回想)伊藤家・リビング

祐子「(怒りながら)冷蔵庫に入れていたプリ

ン食べたでしょ」

凜子「あ、だって、消費期限今日までだった

から」

祐子「楽しみにしていたのよ。お風呂上りの

スイーツを」

凜子「ごめんなさい」

祐子「ごめんですんだら、警察はいらない!」

凜子「歳がわかるね」

祐子「あー! 甘いものが不足しているせいか、めちゃくちゃ腹が立つ!」

凜子「明日、とびきり素敵なスイーツを買っ

てくるから」

祐子「本当?(ウンウンと頷いて)今回だけ

は許してやろう」(回想終わり)

お茶屋・中

ウエイトレスC、抹茶ケーキとほうじ

茶パフェとテイクアウト用の袋をテー

ブルに置く。

凜子、スマホでスイーツの写真を撮ろ

うとする。

知美「あれ? SNSに投稿しないんじゃな

いの?」

凜子「うん。しないよ。知美も入って」

凜子、凜子と知美とスイーツの写真を

撮る。

○伊藤家・リビング

祐子、スマホのDM通知表示を見て、

DMを見た後、微笑む。

スマホの画面

凜子が送った、凜子と知美とスイーツ

の写真と『とびきり素敵な友達と、と

びきり素敵なスイーツを持って帰りま

す』のコメント。

(完)