FXと体の調子+脚本 2020年3月15日
相手の事を思って遠慮し過ぎると逆に相手に気を使わせてしまう。
2020年3月15日(日)
〇 体調報告 手のひらがかゆい。
2月に造影CTをした手のひらに湿疹ができてかゆくなったのだけど、その時と同じような感覚で手のひらが少しかゆい。湿疹はできてないんだけど。造影剤のせいではなかったんかな。
〇2020年3月14日(土) FX報告 土曜日は取引できないのでなし
〇脚本(ドラマ完結) 4回に分けてUPします。
過去に脚本募集で提出した作品(選ばれてません)
タイトル「好ましくない同居人」
○凜子の家・リビング(朝)
高級ブランドの時計の写真、高級ブラ
ンドのバッグの写真、ダイヤのネック
レスをした伊藤凜子(30)ののアップ
の写真等、スマホの画面上の写真の中
から、高級ブランドの時計の写真を押
し、『今日も素敵なインポートグッズと
共にあなたをお待ちしてます❤』と、
SNSに投稿する凜子。
凜子「これでよし!」
○ビル・中
凜子、エレベーターに乗り、3階のボ
タンを押す。手に持つスマホにSNS
のDM通知が表示されているのを見て、
SNSを開く。『本当にあなたが素敵だ
と思う物ですか?』というメッセージ
が表示される。
凜子「また…(溜息)」
凜子、スマホをバッグにしまい、エレ
ベーターを降りる。
○カフェ・中
吉岡知美(30)、窓際の席でスマホを
見ながら、溜息をつく。
凜子「おまたせ。眉間に皺を寄せて何を見ていたの?」
凜子、知美の向かい側に座る。
知美「え! いや、別に…。あ、コーヒーとパンケーキ、注文しておいたからね」
凜子「ありがとう」
知美「凜子、今日って、営業日だよね。こんな時間にお店を閉めても大丈夫なの?」
知美、凜子の胸元に輝くダイヤのネッ
クレスを見る。
凜子「いいのよ。どうせ今日も大してお客も来ないだろうし」
ウエイトレスA、コーヒーとパンケー
キをテーブルに置く。
知美「凜子が羨ましいわ。私みたいにあくせく働かなくても、優雅に暮らせるんだものね」
知美、コーヒーに砂糖を入れてスプー
ンでかき混ぜる凜子の腕に付けられた
高級ブランドの時計を見る。
凜子「全然、優雅じゃないわよ。お店は赤字続きで、パパに援助してもらわなきゃ、生活やっていけないもの。今さら会社勤めもできないし」
凜子、スマホでパンケーキの写真を撮
り、SNSに投稿する。
知美「凜子は大学卒業してすぐに、輸入雑貨のお店をオープンしたものね。出店費用も全部、凜子のお父さんが出してくれたんだよね」
知美、凜子の横の椅子に置かれた高級
ブランドのバッグを見る。
凜子「多分、パパは自分の不倫が原因で離婚することになったから、私の事を不憫に思っているんだと思う。でも、最近、前みたいに気前よくないんだよね、パパ。やっぱり、知美のように、ちゃんと就職活動をして会社に勤めればよかったって思う」
知美「会社勤めは楽じゃないわよ」
凜子「そうなの? なんだか、OLとか憧れちゃうな」
知美「(小声で)絶対本気で思ってないくせに」
凜子「え、何?」
知美「ううん。そ、そうそう、ちょっと、縁起でもない話だけど、ちゃんと凜子のお父さんに遺言書を書いてもらっておきなさいよ。お父さんの彼女に全部遺産を持ってかれる可能性もあるんだからね。凜子はお嬢様だから、そういうところ抜けてそうだし」
凜子「お嬢様か…。気が付いたら、30歳。彼氏もいないし、仕事もうまくいかないし、本当、つまんない毎日。」
知美「凜子がつまらなかったら、私はどうなるの? 私が凜子だったら、いくらでも楽しい毎日を送れると思うわ」
凜子「そうかな…」
凜子、一口、パンケーキを食べる。
凜子「やっぱりパンケーキ、苦手だわ。知美、残り食べてもらってもいい?」
凜子、窓際に置いている紙ナプキンを
手に取り、口を拭く。
知美「いいけど、パンケーキが苦手なのに、どうして注文してって言ったの? もったいないじゃない」
凜子「だって、ここのパンケーキって、有名でしょ! SNSで投稿している人、すごく多いのよ」
知美「SNSね…。投稿している人が多いん
だったら、わざわざ、凜子が投稿しなくてもいいんじゃないの?」
凜子「だって、いいね!が沢山欲しいんだも
の」
知美「(興味なさそうに)ふーん。ちょっと、トイレに行ってくるね」
凜子「うん」
テーブルに置いていた凜子のスマホの
画面にSNSのDM通知が表示される。
凜子、DMを開くと、『あなたが本当に
いいと思うものは何?』というメッセ
ージが表示される。
凜子、溜息をつく。
知美、トイレから戻って席に着く。
知美「どうしたの? 浮かない顔して」
凜子「知らない人からDMが届くんだけど、何が言いたいのかよく分からないんだよね。あなたが本当にいいと思うものは何? とか。何が言いたいのかさっぱり分からない。どういうことだと思う?」
知美「うーん。まあ、言葉のままじゃないの?
凜子が本当にいいと思うものを投稿してないんじゃないの? ってことじゃない」
凜子「だって、自信がないんだもの。小さい頃から、自分がいいと思うものって、周りの子と違うから」
知美「そんなの気にしなくていいんじゃないの」
凜子「そう言われてもね…。それより、ねえ、
知美、誰かいい人いない?」
知美「いい人が知り合いでいたら、私がとっくに付き合っているし」
凜子「(がっかりして)そうだよね。ねえ、知
美、婚活パーティーに行った事ある?」
知美「え、婚活パーティー? まあ、あるけど…」
凜子「私、一度行ってみたかったんだ! でも一人で参加する勇気ないし。今度、一緒に行ってくれない?」
知美「そ、そうね。じゃ、良さそうなのを探しておくわ」
凜子の携帯電話が鳴る。
凜子「あ、噂をすればパパからだ!電話に出てもいい?」
知美「どうぞ。どうぞ」
凜子「もしもし。え…、誰? 嘘! やめて、そんな冗談! 心筋梗塞…うそ…パパ…」
○凜子の家・リビング
凜子、ソファに座り、通帳を開く。
10万円を切った残高を見て、溜息をつ
く。
凜子「よし!」
凜子、立ち上がる。
○伊藤家・仏間
凜子、仏壇に手を合わせる。
○同・リビング
野村祐子(45)「今日はどういった御用件で?」
祐子、凜子の顔を見る。
凜子、祐子から視線を反らす。
凜子「あの」
祐子「遺産相続のことかしら?」
凜子「そ、そうです」
凜子、祐子の顔を見る。
祐子「あなたが相続できる遺産はないわ」
祐子、凜子の父の遺言書をテーブル
に置く。
凜子「そんな。私にも権利があるはずですけど」
凜子、テーブルに置かれた遺言書を手
に取り、家を祐子へ相続するという内
容を確かめる。
凜子「パパが残した財産を全て教えてくれませんか」
祐子「教えてと言われても、ないものは教えられないわ」
凜子「え、ないって、パパの遺産が全くないってこと?」
祐子「そうよ。凜子さん、そう言うけど、あなた、あの人が亡くなるまで、毎月、どれだけ援助してもらっていたかしら?」
凜子「そうだけど…。でも、全くないなんて、ありえない」
祐子「残念ながら残っているのはこの家だけね。そしてこの家は私が遺言書の通り、相続することになっているから」
凜子「そんな…。この家だけはどんな事があ
っても私がもらいますから! あなたにな
んか絶対に渡さないわ!」
祐子「何言っているの! 遺言書で家は私に
相続すると書かれているのだから、私が相続するのが当然でしょ」
凜子「駄目よ! そんなの、絶対に」
祐子「裁判をされても結構よ。まあ、裁判するお金があればの話だけど」
凜子「パパが残した財産までも奪おうって言うの! 酷過ぎる!」
祐子「申し訳ないけど、お帰りいただけるかしら。今から、出掛けなくてはいけないの」
祐子、立ち上がる。
凜子、無言で立ち上がり、玄関へ向か
う。
○同・玄関・中
祐子「生活にお困りのようだし、あなたがどうしてもって言うのなら」
凜子、祐子の方を振り返る。
祐子「ここに住まわせてあげてもいいけど」
凜子、無表情の祐子を悔しそうに見た
後、玄関から出ていく。
タイトル「パパの彼女」
○凜子の家・リビング
凜子「よし!」
凜子、履歴書を書き上げ、笑みを浮か
べ、胸元で小さくガッツポーズ。
凜子、何度も履歴書を書くシーン。段々
と表情が悲痛になっていく。
凜子、履歴書を書いている途中でボー
ルペンを投げ出して、ソファに寝転が
る。
○カフェ・中
知美「凜子、大丈夫?」
知美、凜子のネックレスをつけていな
い胸元を見る。
凜子「うん。生きるのってこんなに大変なことなんだって、初めて知った。ねえ、知美の家でしばらく寝泊りさせてもらえないかしら。もうすぐ、今の家をでなくちゃいけないの」
知美「無理よ、無理無理。私の家、狭いし、汚いし、絶対無理」
凜子「(残念そうに)そうだよね」
凜子、大きな溜息をつく。
ウエイトレスB、オムライスをテーブ
ルに置く。
凜子、オムライスの写真を撮ってSN
Sに投稿する。
知美「(呆れて)こんな時でもSNSに投稿する気力はあるのね」
凜子「だって、SNSに投稿して、いいね!をもらえると、ちょっと元気になれるし。でも、食欲ないから、全部食べられないかも。知美、食べてもらってもいい?」
知美「いいけど、食欲ないんだったら、もっとあっさりしたものにしたら良かったのに」凜子「そうだけど。やっぱり、SNS映えす
る方がいいし」
知美「(呆れて)SNS映えね。あ、そうだ、
凜子、遺産相続はどうなっているのよ?」
知美、凜子の腕時計のない腕を見る。
凜子「あの女、パパの遺産が家しかないって言うのよ。その家もあの女に相続するって遺言書があるし。生活に困っているなら、家には住まわせてやるって。ひどいと思わない?」
知美「え、遺産って、家しかないの? うそ!」
知美、凜子の横の椅子に置かれた安そ
うなバッグを見る。
凜子「貯金もないし、就職しようと思ったけど、書類選考で落とされて、面接すら受けることができないし。持っていたブランド品を安く売って、今はなんとかやり繰りしているけど、この先どうしたらいいのか。あ、そうだ、この前言っていた婚活パーティーは、いいのみつかった?」
知美「あ、う、うん。行く? 行くなら、申し込んでおくけど。とりあえず、凜子、お父さんの彼女の家で暮らしてみたら。あんなに凜子の事を可愛がっていたお父さんが、凜子に財産を残さないなんて、ありえないと思うんだ。だから、家にもぐり込んで、家の中を探してみたらどう? 絶対、何か、お父さんは凜子の為に残していると思うよ」
凜子「そうね…、うん。そうだよね。パパが私に何も残してないなんて、おかしいよね。あの女が何か隠しているのかもしれない。そうしてみる。婚活パーティーの方はよろしくね。就職が駄目なら、結婚よ!」
凜子、胸元で小さくガッツポーズ。
○婚活パーティーの会場・中
知美「どう? 新しい生活は」
凜子「もう本当大変よ。ママが亡くなってからは、食事は、外食かテイクアウトばっかりだったし、洗濯も下着以外は、クリーニングに出していたし、家事がこんなに大変だなんて思わなかった。それにしても、あの女、めちゃくちゃ厳しいのよ。」
○(回想)伊藤家・玄関・中
凜子「(ぶっきらぼうに)しばらくここで暮ら
しますので」
凜子、靴を脱いで上がろうとする。
ーつづくー